非効率なサービス

今仕事でQoS(Quality of Service)を扱っている。QoSに対する言葉としてはベストエフォートっていうんだけどこれって最大限の努力をしますけど品質は保証しません、というサービスのこと。インターネットは本質的にベストエフォートで、これはつまりメールを出しても届かないことがあるし、ホームページもいつもつながるとは限りませんよ、っていうこと。


ベストエフォートのずばり反対語はギャランティサービスでこれは品質保証のサービス。ただし何をどれだけ保障してくれるかはサービスによって異なるし、ギャラも当然変わる。


個人的にとても意外だったのが、つぎ込むリソースに対して最も効率がよいのはベストエフォートであること。なぜならベストエフォートは目の前に積まれたタスクをひたすら処理していく。それにたいしてQoSはタスクに対して優先順位をつけて優先順位の高いものを先に処理しようとする。そのためには「優先順位を判定する」「優先順位が低いものはペンディングする」などベストエフォートでは不要な処理が必要な分全体としての効率は落ちてしまう。サービスって効率がよくないのだ。


漫画の「ホテル」「コンサルジュ」などを読んでいるとつくづくサービスってマニュアル化できないものだと思う。「効率よく」作業や「サービス」をするためにマニュアルは作られるのだが本当のサービスは人、時、状況しだいで「効率より大切な何か」を感じてマニュアルを外れなければならない。サービスに対する「感謝」「感動」はそのマニュアルから外れたところから沸いてくるのじゃないかと思う。


今やっているのはこのQoS、優先順位の処理方法をプログラムしているのだが、コードに落とすっていうのは究極のマニュアル化なので、「サービスねぇ」っていう気が少しする。しかし正に、機械が「機械的に」判断するのだからコード化しないとしょうがない。まぁそこに感動が生まれることもないのだからべつにいーか。