告白
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
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いつも参考にしている映画批評サイトでえらく押されていたし、しゃべくり007で主要キャストが登場していたので興味を持っていた。
超映画批評『告白』95点(100点満点中)
10年ぶりに会った友人とたまたまその話題になり、おすすめされたので読んでみた。
カテゴリとしてはミステリなので、ネタバレしないようにするが、すごい小説だ。「面白い」と言い切れない。後味はよくない。そして、もう一度読み返したくなる。小説でも映画でも、よくできたミステリはもう一度見たくなる物だ。そして、二度目には、各所にその後への重要な伏線を再発見する。
章ごとに事件に関わった人物の独白で物語りは進む。1つの事件が、違う視点で語られていく。事実は1つであろうが、立場によって解釈が違う。出来事がもつ意味合いが違う。
物語は娘を受け持ちの生徒に殺害された、教諭の告白から始まる
次は、教諭と事件に関わる生徒にも心を寄せる女生徒
殺害に関わった少年Bの母親
殺害に関わった少年B
殺害に関わった少年A
そして、最後に、、、
という構成になっている。被害者側から、徐々に加害者側に視点が移っていく。
2章あたりまでは、被害者側に深いシンパシーを感じている。何しろ愛する愛娘を殺されているのだ。
ところが、3章あたりから少し風向きが変わる。少年A、少年Bの心情が描かれるから。
しかし、それも最終章でもう一度変わる。それはどちら向きの物でもない。
人間の愛情と憎悪の深さ、復讐の後味の悪さが残る。しかしそれがこの小説のすばらしさだと思う。
映画も見て見たくなった。