エースの涙 2006プレーオフ2ndステージ 斉藤和巳

杉内、涌井の涙で思い出したのが、2006年プレーオフ斉藤和巳だ。
斉藤和巳はエースらしい貫禄のピッチングで8回まで0を並べていた。
しかし味方の援護もない。9回裏は何かが起こりそうな雰囲気が球場を包んでいた。経験を積んでいる斉藤和巳もその空気を感じていて、先頭(確かひちょりだったはず)を抑えようと慎重に投げていた。丁寧に投げても魔物に足を取られてランナーを出してしまう。(たしか四球を選んだはず)
ランナーが出て盛り上がる札幌ドームの空気が稲葉の打球を外野に運び、サヨナラヒットにしてしまった。

マウンド上に崩れて立ち上がれない斎藤が、両脇を抱えられてベンチに引き上げていくのを、野球の神はなぜこんなにも残酷なのか、やるせない思いで見ていたのを思い出す。

それだけ全てのものを背負って投げるのがエースなのだなと改めて思った。それと同じ姿が今日の杉内であり、涌井だったのであった。